製図試験3年目で3回目でカド番のプレッシャーを克服したい方へ
一級建築士試験は題目の通り二次試験の製図試験は3回目までは学科パスで受けられる。
ここで私の試験履歴であるが、
1年目の巻
1回目の試験は一次試験の学科試験が自己採点が92点という微妙なラインで確か資格学校であるSさん、Nさん、Tさん共に91±1点くらいの予想であったかと思います。(実際の発表は92点であった)
私としては合格点ギリギリではあるが、合格発表後に勉強し始めても間に合わないとは思ったので、とりあえず見切り発車で製図の道具集めから始まりました。(合格しているかもわからないので資格学校に通うという頭もなかったのでとりあえず独学スタート!)
道具集めとは一言に言っても独学なので何が必要なのかもわからないため、ひたすらネットサーフィンで色々なサイトを見ながら、あれは必要であれは必要でないというようなそれぞれの考えがあった事を覚えています。
そして一通りインターネットショッピングで道具を集め勉強をスタートしたわけだが、どうやら製図試験はまずは作図のスピードアップを図るという事が大事だという事がわかりました。
スピードアップも最初の1枚目はトレースだったのですが試行錯誤しながらの作業で計6時間ほど掛かってしまいました。
平行定規、三角定規、直定規を使いながら全て定規を使って書き上げました。
最後に文字も書いたのですが集中力が切れてなぐり書きで書いて何を書いているのか自分でもよく分からないくらいでした。
という事で最初の1枚目を書き上げた感想は、本当にこれで時間を短縮出来るのかなと絶望感に見舞われました。
7月末から何だかんだで2日に1枚ペースで10枚くらい書いたある日思ったのが無の状態で書いている自分がいるではないですか。
何か考えているようで何も考えていないような。手が勝手に動いてるような感覚ですか。次に何を書くかを考える余裕すらある感じでした。
このようにある一定のレベルに達するとこのような現象が起こるのかなと思います。ここまで来ればそろそろトレースもいいかなと思い次のステップに移ろうと思いました。ちなみにこの時で何年度の課題かは忘れましたがびっちり書いてある標準解答例のトレースでしたが2時間半を切るくらいだったかと思います。作図スピードに関しては結構個人差もあるかとは思いますが3時間切るくらいまでは練習しておきたいところです。
それからエスキスの練習となるわけですが、なんせ現場監督の独学という事で実務で設計業務をやっている事もなく、今思えば少々無謀だったかなと感じていますが主に製図試験のウラ指導というウラ指導さんで出版しているテキストをメインで使用して、海豆研究所さんで公開している簡単トレースエスキスというのをミックスして勉強していました。このお二方のブログは建築士の勉強をしている人は見ていて本当に面白いと思います。
なかなか過去のブログまでさかのぼってみることはないのですが両方とも1ページ残らず見てファンになってしまいました。
そうしてどうこうしているうちに1年目でしたが、3ヶ月もない限られた勉強期間でいつのまにか本番が近づいてきました。
なんとか自分なりに考えて解答を導き出し本番では一応最後まで描き切って提出しました。
結果は…というと
見事惨敗!ハガキが届いたと見てみるとランク3という結果。
自分としては試験から合格発表まで期間も開いており、もしかしたら合格出来るかもという錯覚もあったのですが、その少し期待もあったせいか合格発表の日にインターネットで調べて自分の名前がない結果がわかったとき本当にショックで1日いや一週間くらいは引きずっていたのを覚えています。
それからいつまでも落ち込んでいてもしょうがないから次に気持ちを切り替えようと思うまでにはかなり時間が掛かりました。
2年目の巻
不合格通知を受け取ってから月日が経ち、2年目がスタートしました。
まずは何故自分が不合格になったのかという事を分析する事から始めました。
ここで私が利用していたのがウラ指導さんのユーザープランニング略してユープラというサービスです。
これは受験した人が試験本番で解答した内容のものを忠実に再現したいわゆる『再現図』というものを作成してウラ指導さんに提出する事により、何百人もいる同じユーザーさんの受験生の解答をPDFで見たりして研究をしたり、掲示板を設けているため他の同じ境遇の受験生と議論しあえる場があるサービスである。
また、合格発表後には自分の合格の否か若しくはハガキで送られてきた自分のランクを申告を報告する事により他の受験生の結果のランクまで知る事ができる一級建築士試験特有のブラックボックスのようなグレーゾーンをクリアに理解できるサービスである。
ユープラを使う事により落ちた原因を研究しました。この時、試験の真髄を感じた時でもありました。それが空間構成というこの試験特有の採点基準で一番大事なものかと思います。
パッと見の第一印象が大事だということです。廊下がまっすぐでなくとってつけたような感じに見えるグニャグニャな廊下であったり、面積はクリアしているんだけどゴリ押しで収めてしまったやけに細長い室であったり部屋とは思えないL字型の形状の部屋みたいな無理やり感が出てしまうような、あとで見返すと建築的な常識がないように見えるものは空間構成が出来ていないと判断されてしまうという事です。
ですがこの感覚というのはある程度の例を見ないと意外と気がつかないものかと思います。それをクリアできるのが私的にベストだと感じたのがこのユープラであったので是非、リベンジ組になった方は無料でもあるので利用して頂きたいです。
試験を終えた後に再現図を起こすというのが一番の壁かと思いますが万が一落ちてしまった場合は次回の対策を出来ますし、見事合格された方も自分が合格した解答を思い出に残しておくことができますので面倒くさいし、自分の失敗を振り返りたくないという人もいると思いますが、再現図を起こし自分と向き合うことにより良い面がたくさんあるのでオススメしたいです。
そんなこんなで2年目はウラ指導さんの後半戦フルコースにお世話になりました。
このコースは学科試験前日に発表される製図試験の課題発表と同時にスタートするコースなのでいわゆる前半は独学で過去問を見直したり、作図の時間をしたりと前半は比較的スローに過ごしていました。
試験結果としてはまたまたランク3という結果でした。
正直心が折れそうでした。
3年目の巻
考え方は変わらず2年目と変わらず前半戦は基礎をもう一度極めようという考えで課題発表後の後半をどうするかという考えで悩みました。
1年目→独学で惨敗
2年目→通信で惨敗
3年目→???
という事で真剣に家族と相談しました。
製図試験3年目という事でいわゆるカド番ってやつです。
ここでまた落ちてしまったらまた学科からスタートです。
正直、そんなに余裕がある点数で学科は通過したわけでもないしまた学科合格できる可能性は少ないのかもしれない…
という不安ばかりが頭をよぎりました。
そして妻と作戦会議。
もう学科を受験し始めてから6年目に突入してました。そろそろ合格を決めておかないとココロが折れてしまうと思いました。
今まで触れることは無かった資格学校の話が妻からでました。「お金はなんとかするから資格学校に通ってみたら」という言葉でした。
私自身は、今まで宅建、二級建築士、一級建築施工管理技士、一級建築士学科とどれも独学で取得しており資格学校はお金が勿体無いという考えを頭のどこかでずっと思っていました。
資格取得も自分を向上できる趣味程度だと思っていたところもあったかと思います。
6年の月日が経ち子供も3人授かり、もう自分一人が趣味程度で受けていられる程余裕はないという事でした。
この時「絶対に今年合格して卒業する」と決心しました。
それからの私は資格学校に通い始め、勉強するわけですがとことん自分を追い込みました。
お金がない我が家に自分に出資してくれた家族の為に......
朝勉をはじめ
本気を出すため今まで会社には言ってなかったけど受験宣言したり
そして試験当日に至ったわけですが
平成29年の試験は資格学校も書いているように今までの試験に比べ大きく試験出題を変えてきた部分も多く苦戦した受験生が多かったようですが、私も苦しんだ受験生でした。
試験本番ではエスキスを何度も直したり、やってはいけない事ですが作図が終わっては何度も書き直したりと練習中ではありえない位試験問題を見落とすような事が多く試験終了前までパニック状態でした。試験が終わった後も放心状態でした。
そんなこんなで合格発表まではなんとも言えないような絶望感でした。
そして結果は合格!!
一番に妻に電話をし、喜んでくれました。
6年間、思い返してみると本当に長い戦いでした。
ブログを見ている方には今まさに戦っている方がいるかと思いますが
何よりも『絶対に合格するんだ!』という決意が本当に大事だと思います。
どうしてもカド番となると緊張して思ったようにできない人もいると思いますが本気で努力すればいつかは絶対取れる資格だと思うので諦めないで頑張ってほしいです。